世界遺産 上賀茂神社の森   高瀬川薫子

上賀茂の森エッセイ  💛 フタバアオイの成長記録 💛みんなで育てよう葵と絆

葵祭と二葉葵

葵祭はとても美しい。平安絵巻さながらの雅な行列。そこにはここかしこに、素朴な葵の飾りをかざしています。日本人のひかえめで自然によりそう優しさがあふれるお祭りだと思います。
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賀茂祭葵祭)は源氏物語の車争い、六条御息所の一行と、葵の上の一行が見物場所をめぐって争うお話で有名ですが、起源は古く、欽明天皇の御代(6世紀)に始まります。

わたしに会いたければ葵と桂を飾ってお祭りをせよ。という賀茂神話がもとになっています。
当日は神前に二葉葵を献じ全ての社殿に二葉葵を飾り、奉仕者すべてが二葉葵をつけることから 葵祭と呼ばれ親しまれています。


葵祭には葵が不可欠なのです。
お祭りには葵を1万本〜1万4千本使います。
以前は山の中で自然に生えていたものを集めていたようです。
ハート型をしており、とても愛らしい。
ここで興味深いのが「葵」は歴史的仮名づかいで「あふひ」と書くことです。

「会うひ」であり、「ひ」とは 神霊、太陽、生命力であり、パワーです。人間が生きていくうえでなくてなはらない大切なエネルギーなのです。そういうものに会える。それが「あふひ」です。
古来より日本人が心を寄せてきた二葉葵は、日本人が本来備え持つ自然に対して敬い畏れ、しなやかに自然によりそいながら生きてきた文化の象徴ではないでしょうか。

葵プロジェクトではみなさんが育ててくださった葵をつかわせていただき、カツラの枝に葵を搦めて 葵祭行列、上賀茂神社社殿に飾らせていただきました。ご協力いただきました皆さまに感謝申し上げます。